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アニマルセラピー

「この犬は、わしをよう知とんじゃけぇねぇ♪」」

トクさんは、元気でおしゃべりなおばあさんですが、認知症による重い記憶障害 があり、今話したばかりのこともすぐに忘れてしまって、その瞬間瞬間をつなぎ ながら、周りの様子に合わせてなんとか無事暮らしている、という感じの方で す。新しいことが覚えられないので、環境の変化がとても苦手で、「今ある形」 へのこだわりが強く、いつも、険しい表情で、どこかおどおどした様子のある方 でした。

 トクさんが入所している施設にミントを初めて連れて行った時、「だれじゃ、 こげなところへ犬をつれてきて!はよ、連れていにんさい(帰りなさい)!!」 と、ひどく怒られてしまいました。犬が嫌いだったようです。「ごめんなさ い。」と謝ってその場を離れるのですが・・・気になるのか後をついて来て、他 の方が楽しそうに触れ合う様子を後ろからじっとにらんでいました。この施設に は、私は週3回の非常勤でミントを連れて通っていたのですが、毎回、会う度に 同じ様にひどく怒られ、にらみつけられて、記憶障害のこともあり、この方とミ ントがうちとけるのは無理かと思っていました。

ところが、日が経つにつれ、同じように怒りながらもじわりじわりとミントのす ぐ傍にまで寄って来られるようになり、表情も少しづつやわらいできているよう に感じていました。

 数か月経ったある日、思い切って「触ってみますか?」と声をかけてみました。 トクさんは、嫌そうに顔をしかめて首を横に振りながら尻込み。次に会った時 も、傍に来たので声をかける・・・でも、断られる・・・これを繰り返している うちに、ある時、ついに後ろからそっと手を伸ばし、ミントの体にふれることが 出来たのです。ミントがじっとしているので安心したのか、「おとなしいわ、か しこいわ。」と言いながらうれしそうに何度も何度も撫でていました。

それ以来、ミントを見かけるとトクさんの方から、「かわいいねえ、ほんまにか わいいねえ。」と、満面の笑顔で撫でに来るようになりました。また、呼べば傍 へ寄ってくるのがうれしくてたまらない様子で、何度も何度も名前を呼び、ミン トが傍へ来ると、「この犬は、わしをよう知っとんじゃけえねえ。」といつも得 意気でした。険しい表情をして、季節の行事やカラオケなどのレクリエーション の時ですら、自分のふるまいが周囲の状況にかみ合っているか、何か間違ったこ とをして人に迷惑をかけていないか、いつも不安を抱え続けているトクさんに とって、働きかければ、すぐに確実に、寄ってきて期待通りに愛情いっぱいの反 応を返してくれるミントは、自信を回復させ、自己評価を高める存在であったと 思います。

新しいものや状況になじみにくく、混乱しやすいこの方が、苦手だった犬に馴染 み、心を通わせ、それを喜びと感じられるようにまでなれたのは、同じ場所、同 じ状況で、同じ犬と、その方なりの時間と方法でゆとりを持って接近できる機会 が頻回に提供できたからではないかと思います。

施設を訪問する形でのアニマルセラピーは、ボランティアでの活動の場合、月1 回か2回、多くても週1回というところが多いようです。

ミントとトクさん「久し振りに会う」ことには、新鮮さが保てて刺激になるというメリットもあ り、犬の負担も考えればそのくらいが丁度いいのかもしれません。ただ、認知症 のお年寄りと関わる場合、「なじむ」ためにはもっと充分な頻度と時間の必要な 方も多いな、と感じています。犬がいつも傍に居る・・という環境が理想なのか もしれませんが、施設で犬をうまく飼うのはとても難しいことなので、私がやっ ていたような「職員がしつけと管理をしながら自分の犬を連れて出勤す る」・・・という形は丁度よかったのかもしれません。

写真は、ミントを呼び寄せて、得意気にしているトクさんです。うれしそうなお 顔をされていますが・・・何度も何度も、呼ばれる度に律儀に応えているミント は、ちょっと困った顔をしています!?

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